矯正治療に伴う副作用・リスクについて


矯正治療では、歯並び・咬み合わせの改善、見た目の改善など大きなメリットがあります。メリットばかりが知られる一方で、副作用・リスクなどのデメリットは無いのでしょうか?
いいえ、矯正治療も大きなメリットの一方で、副作用・リスクが存在します。

しかしこれは、全ての医療に共通するもので、例えば、私たちが病気になると、処方され、何気なく飲むお薬でも同じことが言えます。薬を飲んだときに得られる効能が、起こりうる副作用よりもはるかに大きく、メリットがあるとわかっているからお薬を服用するのです。

「副作用・リスク」と聞くと、とても恐ろしく聞こえますが、治療を始める前に矯正歯科治療で起こりうることを良く知り、十分に理解した上で開始していたらそんなに恐くないものです。「知らない」ままで、不安は当然です。ここでは、矯正歯科治療で起こりうる一般的な副作用とリスクについてご説明したいと思います。

どんな副作用・リスクが考えられるの?

歯根吸収

文字通り、矯正力をかけた歯の根の先が治療開始時より短くなることです。
矯正治療で歯に力をかける場合に、全ての患者さんに起こりうるものですが、根の先の形態・歯根周囲の構造物との関係などで人によってリスクが大きく変わってきます。

>歯根吸収とは?

歯肉退縮

歯の周囲を覆う歯ぐきが下がってしまうことです。
歯ぐきが下がったことで、歯根(今まで歯槽骨や歯ぐきに埋まっていた部分)が露出するような状態の場合は、元と比べて歯が長く見えるようになってしまうことがあります。
特に起こりやすい場所は、下の前歯の部分です。

>歯肉退縮とは?

ブラックトライアングル

成人で下の前歯にガタガタが大きい場合、矯正治療で綺麗に並べた際に、歯と歯の間の歯ぐきが下がり、すき間が目立つようになってしまうことのことです。
下の前歯の歯と歯の間のすき間が三角形で黒くみえることから、「ブラックトライアングル」と呼ばれます。

>ブラックトライアングルとは?

歯肉炎・歯周病

矯正治療が始まったことで、お口の中が装置で複雑になり、歯磨きが難しくなることで、磨き残しがおきてしまうことが原因です。
歯垢(プラーク)が歯の表面に残ったままになることで、このプラーク中の細菌の毒素によって歯肉に炎症をひき起こし、歯ぐきが赤くなったり、腫れたりします。

>歯肉炎・歯周病とは?

むし歯

歯肉炎同様に、歯磨きが難しくなることで、磨き残しがおきてしまうことが原因です。マルチブラケットという、歯の表面に付く装置の周りも丁寧にブラッシングをして、汚れを取る必要があります。装置と歯の境目に汚れが残ったままになっていると、むし歯菌の出す酸によりその部分が「脱灰」して歯の表面のエナメル質が溶け出し、白っぽいむし歯になってしまいます。酷くなれば、茶色く穴が開いてくることも。また、普段ダラダラ甘い飲み物を頻回に取る習慣のある方は、むし歯のリスクを高めることになってしまいます。

>むし歯とは?

子どもの矯正治療でもリスクはあるの?

子どもの治療の場合は、総じて上記のリスクは低くなりますが、大人同様に注意は必要です。

□歯根吸収…取り外し式の装置などで成長の誘導を行ったり、リンガルアーチ等で歯の生え方・上下の当たり方等の改善の結果として、歯根吸収が起こることはほとんどありません。

□ブラックトライアングル・歯肉退縮…若年者の場合は歯槽骨のレベルが高く、歯肉レベルの回復が早いため、ガタガタを並べてもブラックトライアングルが起きることは少ないでしょう。

□むし歯・歯肉炎…取り外し式装置等では起こりにくいですが、マルチブラケット等の口腔内に装着する固定式の場合、磨き残しが多くなることは事実です。小学生の間は、矯正治療中は歯みがきできちんと汚れが落とせているのか、むし歯予防のためにも保護者の方にチェックをしていただくことをおすすめしています。



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