成人で下の前歯にガタガタが大きい場合、矯正治療で綺麗に並べた際に、歯と歯の間の歯ぐきが下がり、すき間が目立つようになってしまうことがあります。
すき間の部分が三角形で、黒く見えることからブラックトライアングルと呼ばれます。
どうして起こるの?
子どもの場合は歯槽骨のレベルが高いために、大人のようにブラックトライアングルが出来ることはほとんどありません。しかし、成人では歯槽骨レベルが水平的に低下していることが多く、歯ぐきのレベルもそれに伴って既に低くなってしまっているため、ガタガタが強く、重なり合っているものを並べた際に、歯間乳頭の回復が難しく、すき間が出来ることがあります。
また、ブラックトライアングルになりやすいかどうかは、歯の形によってもかわります。歯が四角い形(スクエア型)の場合、一般的にブラックトライアングルは起こりにくいですが、逆に、歯が逆三角形に近いテーパード型や樽型の場合などはブラックトライアングルが目立ちやすいことがあります。
対応策はあるの?
重なり合っている部分を並べると、どうしても起こりやすい場合があり、避けることは難しいです。治療開始前に、ブラックトライアングルが起こりそうな部分を知って、事前にイメージしておくことが安心に繋がると思います。
歯と歯の間をヤスリのようなもので少しだけ磨くこと(=ストリッピング)で歯の形をスクエアの形にすることで、ブラックトライアングルの部分を小さくしたり、白いプラスチックのような樹脂(コンポジッドレジン)にて、歯の形を整えてあげることで目立たなくすることが可能なこともあります。