歯垢(プラーク)が歯の表面に残ったままになることで、このプラーク中の細菌の毒素によって歯肉に炎症をひき起こし、歯ぐきが赤くなったり、腫れたりします。
どうして起こるの?
矯正治療が始まったことで、お口の中が装置で複雑になり、歯磨きが難しくなることで、磨き残しがおきてしまうことが原因です。
「矯正治療をすると歯肉炎になる」わけではなく、原因は磨き残しのプラークです。
どんな人がなりやすいの?
元々、歯みがきが十分でない中~高校生が歯肉炎のリスクが高いことが多いです。一方、普段からお口のケアを怠らない意識の高い成人の方の場合、歯肉炎・歯周病のリスクになることはほとんどありません。
また、少数ではありますが、矯正治療開始時の検査で、歯周ポケットが深く、中~重度の歯周病が疑われる方は、その後の矯正治療で歯を動かしていく中で歯槽骨のリモデリングの結果、歯周病が亢進してしまう恐れがあります。歯周病があるような場合は、きちんと歯周病の治療を終えてからの矯正をおすすめしています。せっかく歯が綺麗に並んでも、その土台である歯槽骨がしっかりしていなければ長く保つことは難しいからです。
ならないためにはどうすればいいの?
お口の中が複雑になって汚れが残りやすくなることを十分理解し、装置がないときに比べてより丁寧なブラッシングを心がける必要があります。歯ブラシだけでなく、歯間ブラシ、ワンタフトブラシといった装置と歯の間に細かく毛先を入れることのできる補助器具を使ってこまめなブラッシングを心がけましょう。
また、当院では、治療の開始時に歯ブラシセットをお渡ししており、衛生士から磨き方のワンポイントレッスンがあります。ご自宅で実践してみて難しいときは、いつでもご相談ください。