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ドクターコラム

上の前歯、まだ下がらないの?~Step4ウラ話~

前回のStep3では、バネによって下の犬歯を後退させ、前歯の部分に少しゆとりができることで下の前歯がほぐれてくることをご説明しました。
さて、今回のStep4では、いよいよ下の前歯にブラケットを付け、ワイヤーを通して並べていきます。
今回もStep4ではどのような変化が起きるのか、またStep4の治療の裏側についてご説明します。

いよいよ下の前歯が並んでいきます
今回のStep4で、やっと下の前歯にブラケットを付けました。ガタガタも、ある程度はStep3でほぐれて来ているので、ワイヤーを通すと、形状記憶合金の、“アーチ状に戻ろう”、とする力がかかることで、徐々に前歯が並んで来ます。歯がすきっ歯の状態になっている方もいらっしゃいますがご心配には及びません。鎖状になっているシリコンのゴムをかけるとすき間は徐々に閉じて来ます。

スピー湾曲が出現!?上の前歯を下げるために再度まっすぐに!
上の前歯を後退させてくるのは、この後に続くStep6です。Step6で順調に上の前歯を下げるために、このStepで重要になってくるのが、本当に下の歯並びはまっすぐフラットになっているか?と、いうことです。
下の写真をご覧ください。

Step3までの治療で、下の歯列は犬歯より後ろはまっすぐになっているのですが、ブラケットを今回付けたばかりの下の前歯4本は、他の歯よりも長く伸び出ているような状態になっていることが見受けられます。スピー湾曲が再度出現したような状態になっているのです。この深いかみ合わせの状態ままでは、下の伸び出ている前歯が上の前歯にぶつかってしまい、前歯を下げることができません。
このため、このStep4では、伸び出てしまっている下の前歯4本をしっかりと沈みこませる(圧下させる)ことが大切です。
毎月の調整でワイヤーを交換し、ワイヤーサイズが太くなっていくことで、歯列の“たわみ”がだんだんと取れていきますが、ここで前歯が伸び出ている量が大きい(かみ合わせが深すぎる)場合は、犬歯より後ろの歯列と高さをそろえるために、U-arch(ユーティリティーアーチ)といった装置を使うこともあります。

U-archの役割とは?
U-archの役割については、わかりやすい画像を用意しました。下の画像をご覧ください。

写真のように、U-archは、下の前歯4本を通り、途中の犬歯から小臼歯は歯を通らず歯ぐきの部分にパスしてあり、奥歯までつなぐ形になっています。
U-archは、“片持ち梁”のような構造になっており、その働きで、下の前歯を圧下させる力が伝わることで数か月間使っていくうちにだんだんと、歯列のスピー湾曲が取れていきます。
下段の写真では、U-archの働きによって前歯が押し下げられ、見えなかった下の前歯が見えるようになってきました。

Step4の完了=Step5 上の前歯の抜歯も行っていきます
さて、スピーが取れて、ワイヤーもまっすぐになったところでStep4が完了すると、次はStep5です。
Step5は、とてもシンプルで、最大サイズのステンレスのワイヤーをセットし、歯列をもう一度まっすぐにします。これはセットした月に完了するのでStep5は1か月間です。
Step5の段階では、そろそろ上の小臼歯の抜歯も行い、Step6に向けて前歯を下げていく準備をすすめていきます。

まとめ
•Step4では、下の前歯を並べ、下の歯列全体をまっすぐに整えていく
•下の前歯が伸び出すぎていて、再度“スピー湾曲”が出現することがある
•かみ合わせが深すぎる状態では、下の前歯と上の前歯がぶつかってしまうため、下がまっすぐになるまでは上の前歯をまだ後退させることができない
•下の歯列のたわみをまっすぐにするために、2~3割の患者さんには“U-arch”を使うこともある
•Step4が終わったら、上の前歯を下げるStep6の段階に入るため、上の小臼歯の抜歯も行っていく

今回もここまでお付き合いくださりありがとうございました。
もうすぐ、上の前歯を下げはじめていきます。次回は、Step6のコラムでお会いしましょう。

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