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歯の周囲を覆う歯ぐきが下がってしまうことです。歯茎が下がったことで、歯根(今まで歯槽骨や歯ぐきに埋まっていた部分)が露出するような状態の場合は、元と比べて歯が長く見えるようになってしまうこともあります。また、特に歯肉退縮が起こりやすい場所は、下顎前歯です。

歯肉退縮とは

どうして起こるの?

  1. 骨(歯槽骨)の厚みが生まれつき薄く、骨からはみ出して歯が並んだ場合
    →骨の厚みが薄いにも関わらず、強いガタガタを広げて並べた場合などに、骨の中で並びきらずに骨からはみ出してしまうと退縮が起こることがあります
  2. Thin‐scallop type(歯ぐきが薄く、刺激によって痩せやすいタイプ)であった
    →人によって歯ぐきが分厚かったり、薄かったりします。日本人は薄いタイプの方が多く、特に女性で痩せ型の方に多い印象です。根っこの形が歯ぐきから透けるような歯ぐきが薄い方は、歯ぐきが痩せやすいタイプと言えます。矯正力をかけた場合、その方の歯周組織の健康状態(歯周病)やホルモンバランス、ブラッシング圧など、複合的な要素で退縮が起こることがあります
  3. 咬合性外傷(早期接触など)
    →歯が並んでいく過程、もしくは元々の咬み合わせの異常が原因で、上下の歯に強い当たりが起きてしまい、通常分散されるべき力が、過剰に一本だけ、または数歯だけにかかってしまうことで、該当部に歯周組織に炎症が起こることで急性の歯周炎のような状態になり、歯ぐきのラインが下がってしまうことがあります

対応策はあるの?

治療計画の段階で無理をして、骨の無いところへ並べるような計画を避けるようにしなければなりません。また、痩せやすい歯ぐきのタイプの方の場合は、ブラッシング圧などに特に注意していただき、ドクターも治療中に歯にかかる矯正力のコントロールを十分に注意することが大切ですが、治療の過程で思わぬ偶発的なことで、歯肉退縮が生じることもあります。

もし万が一退縮が起こっているように感じたら気づいた段階で連絡をいただき、矯正力を弱める・安静することによって歯ぐきレベルの回復に努める、など早めの対応を考える必要があります。

歯肉退縮治療後

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